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自費診療ではどんな方法があるか

2014-08-05

自費診療は根管治療の成功率を上昇させる

自費診療は根管治療の専門家が行う場合が多いので、一般歯科の先生に根管治療をしてもうよりは成功率があがります。また、保険では使用しない器具を使用することが出来るのでさらに成功率はUPします。以下は自費診療で用いられる道具や素材の例です。

・ラバーダム

昔はラバーダムを使って根管治療をすることが当たり前でしたが、保険点数の改定などで使わなくなってしまった医院もあるようです。理由は保険適用でないからという他にも患者が嫌がるから、歯科医師が余所も使っていないので使わなくてもいいのでは? と思っている場合もあります。冗談のようですが、本当にあります。歯科医師の先生の多くは勤めていた歯科医院の形態をそのまま踏襲することが多いので、勤めていた医院でそういったことがあったら、無意識にその通りにやってしまうことはあります。

・マイクロスコープ(歯科顕微鏡)

歯内部の奥は肉眼で確認することは難しいです。そこの組織を除去したり、状態がどうなっているのかなどを確かめるのは相当の経験がないとできないでしょう。しかし、これらの設備を使うことによって肉眼では確認できなかった部分がわかるようになりました。まだまだ日本では普及していません(全国歯科医院約6万8千に対し千~2千台)が、アメリカの根管治療専門医の9割以上は導入しており根管治療専門医には必須の設備とも言える。

・支台・かぶせ物・詰め物の素材

お勧めはなんといってもゴールドでしょう。金属なので、金属アレルギーの心配が※皆無ではありません(高校化学を学んだ方は金が反応するのは王水のみで、銀素材のように簡単にイオン化しないことを思い出しましょう)。しかし、なんといっても歯科医師のゴールドへの信頼の高さが群を抜いています。メタルフリー(非金属)の素材が歯科業界を賑わしていますが、長年の実績を誇るゴールドの耐久性、柔軟性は折り紙つきといえます。もちろんメタルフリーの素材も特色を持っていますが、治療や予防、耐久性を考慮するならば金素材はまさに一生ものです。難点は審美性が悪いことでしょう。見える部分はセラミック、奥歯などはゴールドと使い分けられる方もいらっしゃいます。一長一短ありますので、自分の気にかけている部分がカバーされる素材を選ぶことが大事です。

 

※オリンピックで金メダルを噛む真似をする選手が多くいますが、これは純金が柔らかいためです。むしろ純金は柔らかすぎるためそのまま歯科素材として使うのには難があります。ですので歯科医院で使うゴールドは合金になるので、ゴールドといえども金属アレルギーは存在します(金含有率83%など)。ですのでどうしてもアレルギーが気になる人はセラミックなどの素材にしましょう。ちなみにゴールドメダルの金は10%もありません。金メッキなのです。

 

 

歯の神経(歯髄)を取ることの弊害

2014-08-05

歯髄にむし歯が達すると神経を抜かなければならない

 

神経(歯髄)に達したむし歯神経(歯髄)を除去した歯

歯の神経部分を歯髄しずいと呼びます。歯の神経を抜くとはこれを全て除くことになります。歯髄は柔らかく、エナメル質や象牙質に比べむし歯の進行速度は圧倒的に早く、広範囲に汚染するので神経のほとんどは感染源になってしまいます。感染源は少しでも残っているとそこからむし歯菌が広がってしまいますので、歯髄にむし歯が達していたら神経を抜く判断をされてしまいます。

神経を抜くわけですから何も変化がないわけはありません。大きな変化は痛みを感じなくなることです。神経を抜いた歯にドリルをいくらしても何の痛痒も感じません。ただ周辺組織に痛みはあるので歯が痛くなくてもその周辺が痛いということはあります。

痛くないのはむし歯の痛みに苦しんでいる人にとってはメリットに感じますが、治療をした後にむし歯が再発した時に気づけないというのは大きなデメリットになります。痛いからむし歯に気づいけたという痛みの唯一メリットが無いわけですから、むし歯の進行が進んでいたとしてもまったく気づけません。この場合にむし歯に気づくとしたら、虫歯により周辺組織が炎症を起こしそれが激痛を催すレベルになって気づきます。これが根尖根管治療になります。

 

 

根まで侵されたむし歯歯の中身の歯髄と血管

 

二つ目の大きなデメリットとして、神経を抜くことによって歯が脆くなります。歯髄には血管が通っており神経を抜くことによって血管も失ってしまうので、血管から歯に栄養が通っていたのにそれを失ってしまうわけですから、歯はボロボロになっていくだけです。

三つ目として血液の中に居る白血球もいなくなるので、細菌に対する抗体を失い細菌の好き放題にさせる環境ができてしまいます。

結果、わずかな細菌でむし歯が発生しやすくなるので歯の神経を抜くと歯を失う可能性はかなり高くなってしまいます。

根尖根管治療

2014-08-05

歯の根にむし歯菌が膿の塊を作り出す

根管治療の中でももっとも期間がかかる治療になります。むし歯が進行を続けると根の先、根尖に膿のかたまりが発生します。この時の根管治療を根尖根管治療と呼びます。治療方法はほとんど同じですが、根の先にある膿を全て出し切らないと治療は先に進めません。この膿を出し切る治療に長い期間がかかります。感染源の膿のかたまりは歯の内部の奥にあるため目視で確認することは難しく、膿をどれだけ出せば感染源を出し切ったことになるのか予測ができません。少しでも感染源が残っていればそこから再びむし歯菌が活動してしまうため歯科医師としても慎重にならざるを得ません。経過観察や薬液での歯の内部の洗浄で感染源を全て除去したら、ようやく次の治療工程に進みます。ここまで酷くなったむし歯は、歯の大部分を破壊され根しか残っていないことが多いので『差し歯』と呼ばれる物を埋め込みます。これは歯に埋め込む『支台』といわれる部分と、支台にかぶせる歯の形をした冠の部分『深いかぶせものクラウン』と呼ばれる物を使います。天然歯が使い物にならないので、そこに人工の歯をかぶせることができないので、かぶせものをしっかり固定するために支台を使います。

これでようやく根尖根管治療は完了します。

しかし、根管治療は再治療となることが非常に多いので、経過観察で歯科医院にしっかり通わなければなりません。それを含めれば通院の期間はかなり長いものになると考えられます。

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