マタニティ歯科(出産後)

2014-08-22

前回前々回に引き続き、根管治療とは少し離れた内容になっていますが、たまにはいいかと思います。

 

マタニティの意味は【妊婦・妊娠期間】と日本語では捉えられることが多いですが、英語圏では【妊婦のための】【母のための】【母性の】といった意味合いで使われます。なので出産後もしばらくはマタニティと銘打っていても問題ないのですね。

 

出産後の歯科への通院

これは妊娠中もそうでしたが、出産後に本格的に歯の治療をするためや、出産により脆くなった歯をケアするためにも歯科医院に通院することが望ましいでしょう。

昔からよく言われることとしては『ひとり産むと一本歯が抜ける』というくらい出産は体・歯に負担がかかります。

 

出産後~3歳までのこどもの口内環境について

妊娠中にむし歯の治療をせずに対処療法を行っていた方はもちろん、出産に至るまでにむし歯になってしまった方。産後の肥立ちが良くなったら歯科医院で治療してください。自身の歯のケアも大切ですが、なによりこどもの口内環境を良くしていく上でも自身のむし歯治療はかかせません。

 

 

■こどもの口内環境は3歳までに決まってしまう

むし歯の要因として

・食習慣

・歯磨きの習慣

・生活習慣(姿勢や睡眠など)

・常在菌に占めるむし歯菌の割合

が関わってきます。

これらは3歳までのうちに身についた習慣や考え方に大きく左右されますが『常在菌の割合』だけは後でどんなに変えようとしても変えることは出来ません。3歳までに形成された常在菌の割合はその後変化すことはないので、むし歯菌が限りなく少ない割合で常在菌が決定した場合、後からむし歯菌がお口の中に入ってきても他の常在菌がそれを追い出そうとします。こどもと触れ合う機会が一番多い母親のむし歯を治療することで、むし歯菌がこどもの口に入る機会を少なくし、むし歯菌が定着しないよう予防することができます。

 

大変な出産が終わり、息をつく間もなく育児が始まります。日常の生活を送るのに精一杯で、こどものことはしっかりするが自身の歯のケアは二の次になってしまわれる人もいらっしゃいます。最近ではどの歯科医院もキッズスペースを設けるところが多く、中には診療室にキッズスペースがあり、治療中も子供の様子が(そんな余裕があるかは別として)直に確認できる医院もあるので、安心して通院することができます。HPや電話で確認を取ってみましょう。

妊娠中(マタニティ)歯科

2014-08-21

前回マタニティ歯科についてさわりを書いたので、今回はマタニティ歯科がなぜ必要とされているかについて書いていきたいと思います。

 

★マタニティ歯科が必要とされる理由

妊娠によって様々な体調の変化が現れます。歯科においては、唾液の量や性質・ホルモンバランスの変化などの影響によってむし歯や歯周病になるリスクが高くなります。

そしてホルモンバランスの変化などにより『妊娠性歯周炎』となると、早産のリスクが約7倍になるとことが判明しています。

こういう知識を知っていても、自分自身に当てはめるとどうなのか? 知識だけではあて推量になり結局不安が拭えないで悩まれる方もいます。

ご自身だけで悩まずに、専門家に相談していただくことで心配事を少しでも減らすことが妊婦さんご本人だけでなく、産まれてくる赤ちゃんのお口の健康のためになります。このような理由でマタニティ歯科が全国の歯科医院で広がっているのです。

 

また、産まれてきた赤ちゃんの口内環境のケアを考えていく上ですぐに相談できる歯科医院があることで、育児について様々な悩みを抱えるお母さんのサポートをすることができます。幼少期の口内環境によってお子様がむし歯になりやすい・なりにくいが決まります。

 

 

★マタニティ歯科において妊婦さんが知っておきたいこと

妊娠中に知っておきたいこと、気になっていることがあると思います。よくある症状や医院に寄せられる妊婦さんから質問の多い事項をまとめました。

 

■妊娠中に発生する主な変化

・つわりなどで食事の回数が増える

・体がだるい・歯ブラシが気持ち悪くて歯をしっかり磨けない

・胃酸で歯が溶かされる

・ツバの性質が変わってしまう

・ホルモンバランスの変化

 

■妊娠中のことに関して医院に寄せられた主な質問と回答

Q.1妊娠中にむし歯や親知らずが痛くなったのですが、治療や抜歯ができますか?

A.1安定期(妊娠16週)において治療をすることは可能ですが、症状がひどくて我慢できない場合医師と良く相談するのがベストです。産婦人科の先生の所見を伝えていただければより的確にアドバイスが可能です。とにかく痛くて我慢できないときは、治療を優先してくれる歯科医師を探すしかありません。HPで治療できそうな医院を探し、電話でしっかり確認してから来院するといいでしょう。

 

Q.2歯の痛みを抑えるために不安に思いながらも痛み(化膿)止めの薬を服用しています。大丈夫でしょうか?

A.2歯科医院で妊娠について把握しており、安定期に入っていれば、基本的に影響はほとんどありません。

 

Q.3エックス線の撮影で赤ちゃんへの影響は大丈夫でしょうか?

A.3歯科でのエックス線撮影はお腹赤ちゃんから離れているので、ほぼ問題ありません。防護エプロン(鉛が入っておりかなり重い)をつけて撮影するので、影響はほとんど無いです。ちなみに鉛は透過率の高いガンマ線を遮蔽できる重金属です。

 

Q.4つわりがひどく、歯を磨くのが辛いです。口の中が気持ち悪いのですがどうしたら良いでしょうか?

A.4つわりが酷い時は無理に歯磨きをせず、うがいをして食べかすを残さないように気をつけましょう。唾液の分泌量の低下や女性ホルモンの変化で口の中が酸性になりやすくなっていますので、こまめにうがいをして、歯磨きができそうな時に歯を磨くようにしましょう。

 

Q.5詰め物に銀歯を使っているのですが大丈夫でしょうか?

A.5メタルフリーの素材と交換することが可能です。

 

 

 

 

マタニティ(妊婦)歯科における根管治療

2014-08-20

マタニティ歯科について

近年全国で広まってきた、妊婦さんを対象とした妊娠中と出産後の歯科治療や口腔ケア、産まれてきた赤ちゃんがむし歯にならないため歯科医院が行っている診療のことです。マタニティ歯科が広がっている理由は、口内環境が妊婦さんや生まれてくる赤ちゃんに及ぼす影響が医学的に解明されてきたからです。そのため、産婦人科と歯科を含むような総合病院だけでなく、産婦人科と歯科医院が連携して対応することも増えてきました。

むし歯や歯周病に羅患していると、全身疾患に繋がります。

なぜなら、血流を通して細菌が全身を巡るからです。

健康であれば(肉体・精神的に)、体の免疫機構が働いて細菌を退治します。

しかし、妊娠のように心身両面に多大な負担がかかる状況に陥ると免疫力が低下します。

免疫ニートです。

こうなると、細菌は血流に乗って全身を巡り色々な悪さをするのです。

中でも妊婦さんに関係するのは早産。

詳細な因果関係は解明されていませんが、統計データとして歯周病でない方と健康な方では8倍もの差がでています。

(米国調べ)

妊婦の方はこういったことにも気を配らなければならないのです。

 

 妊婦さんと歯科治療

妊婦さんに歯科治療を行う場合は、麻酔や薬剤を使うにしても胎児に影響が無いように歯科医院では分量・時期を考えて用います。とはいえ本当に影響がないとはいいきれません。根管治療が必要で痛みを訴えても治療をするかどうかは歯科医師の判断にかかって来ます。ほとんどの歯医者さんは治療をしないで必要最小限の痛み止めや化膿止めを処方するだけかもしれません。患者さんが本当に必死で痛みを訴えない限り治療はしないでしょう。なぜなら、もし赤ちゃんに何かが起こった時に、あの時の麻酔が……あの時の薬が……と言われた場合否定する材料が無いからです。ある意味、妊婦さんと同等に近いリスクを歯科医院では負っているといっても過言ではありません。

命と歯科医院としての生命ですから単純に比較することはできませんが、歯科医院としての生命が絶たれれば(大きな借財をして)今まで作り上げてきたものや、これからの生活を考えれば人生が半ば折れかかったといっていいでしょう。

それくら歯科医院は妊婦さんに気を使っていると考えて貰ってもいいのです。

逆にそういった気遣いがなく妊婦さんの治療を普通にやってしまう歯科医院があるとするならば、配慮が足りない可能性があります。

まず、治療をするにしても色々な状況を鑑みて計画・指導をしてくれる歯科医院さんを選ぶ必要があります。

男性歯科医師だとそのあたり疎い、というよりも、体験したことが無いはずなのでわかりにくいというのもあります。

必勝を求めるなら女医さんが担当してくれる医院を探すことです。

特に自身も出産を経験した方だと、歯科知識を持った経験者としてのアドバイスをしてくださるので受け入れやすいと思います。

このあたりはやはり、男性では気がまわらない可能性が高いので女医さんのいる医院を探して電話してみるといいかもしれません。

HP上で女医さんの存在を載せている医院は結構増えています。

そういった医院さんに電話をかけて、女医さんに担当してもらえるのか? などを尋ねるといいでしょう。

 

 

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