咀嚼筋とアンチエイジング
咀嚼筋とは
表情は、顔の筋肉が動くことによって表面の肌が連動して形作られることは知られています。
その筋肉の主たる表情筋を鍛えることによって素晴らしい表情が浮べられると。
ただ、顔には他にも筋肉が当然あり、その中で顎と密接な関係があるのが咀嚼筋です。
噛むことに関係しており、また見た目上の若さを保つ上で表情筋と並んで重要になってきます。
更に顎関節症とも関連があり、この咀嚼筋が疲労することで様々な病気を発症することが示唆されています。
顎関節症やTCHに関してはこちらのページで書かせていただきました。
咀嚼筋マッサージとアンチエイジング
咀嚼筋を鍛えるには食事においてしっかりと噛む習慣をつけることと、歯ごたえのあるものを食べることになります。
ただし、表情筋と同じく、顔の筋肉は日常では3割しか使われておらず、残りの筋肉は使われないため日々衰えていきます。
その為、筋肉が後退すると肌を支えることができず顔がしだいにたるんできます。
こうなってくると徐々に老けた顔になってしまうのです。 これを避けるために意図的に顔の筋肉を鍛えます。
両方のこめかみ付近に両手をあてて、口をカチカチと動かした時に盛り上がりを感じる箇所が咀嚼筋のある位置です。
同様に頬のあたりも同じようにして咀嚼筋の位置を確かめます。 ここ一帯を指の腹で1分ほどもみほぐすと筋肉が刺激されます。
普段動かさない、もしくは噛む回数が少ないなんて方はお試しあれ。
口内マッサージ
咀嚼筋マッサージを行う上で、更に効果を高めたい人は、口の中からのマッサージも加えると尚効果的です。
なぜなら咀嚼筋は顔の深い位置にあるため、表側からよりも内側からのほうが筋肉に大きな刺激を与えることができます。
また内側からならば、ほうれい線に対しても効果が見込めるのです。
同時に、歯ぐきのマッサージを行うとよいでしょう。
歯ぐきには40もの全身のツボが密集しているので、ここをマッサージするだけで 全身の不調が改善され、かつ若々しい表情を保つことが出来ます。
ただし、口の中に指を入れるので、衛生や爪のケアは必須です。 行う時は十分注意しましょう。
デンタルエステ、例えばホワイトエッセンス
巷でちょっと話題になってきたデンタルエステ。
歯科医師や歯科衛生士がエステをするということで効果が高い! という触れ込み。
実際歯科医師がやろうが、歯科衛生士がやろうがマッサージの効果に変化わそこまでないだろうとは思わなくも無いのですが。
ただし、口の中をマッサージしてくれるのは他の普通のエステでは体験できないのも事実。
というか歯科衛生士資格や歯科医師資格もってないのに業務で口に指を突っ込んでたら違法ですからね。
営業停止させられる恐れがあります。(悪質じゃなきゃ実際は注意、勧告くらいで済むようですが)
特に人に歯を磨いてもらうPTCは値段も安く気持ちがいいです。
実際の効能はPMTCの方がはるかに高いのですが、まぁそれはそれ。
顔のマッサージだけでなく、口の中もっていうのは、エステ業界が新しい商売を考えたのか、医学的に効果が高いと徐々に分かってきたのかの判断が微妙なところです。
歯科医師も歯だけでなく全身の疾患や筋肉についても勉強していますが、それを突き詰めていくとなると畑がちょっと違うので正直現段階では医学的な効果は保証できないパターンです。
しかしながら、エステとデンタルの両方の観点を学んだ人からのアドバイスは重要です。
マッサージ自体も価値がないこたぁないんでしょうが、それよりも、実際のフェイシャルマッサージと口内マッサージを有資格者の観点から聞けることに価値があります。
歯科衛生士はもとより歯科医師も歴とした体系の学術を学んでいるので、その観点からのエステはそこに基づいた+αの付加価値を持っています。
実際のマッサージはエステ専門の人がしても、素人がしてもやり方と道具が一緒なら劇的な効果の違いはないでしょうが、そのあたりの知識を教授してもらいながらエステを受けられるのであれば、デンタルエステという一風変わったエステを受けるのにも価値を見出せます。
体の老化はなかなか気づきませんが、表情の老化は気づきやすいです。
20代も後半を越してきたらやはり、フェイシャルナケアは必要なのです。
ほうれいせんが……。
顎関節症とTCHの関係
顎関節症だと口が開かなくなる?TCHが関係している?
TCHの状態(右図)
いつもとは川岸を変えた話題を書こうと思います。
顎関節症という言葉は聞いたことがあっても、診断された人や治療を受けた人でないと馴染みは薄いと思います。
まず、顎(がく)が読めない可能性が高いです。
私も最初は”あご”とそのまま読んでいました。
顎になんらかの原因で異常が発生して顎が外れて元に戻らなかったり、口が開いたまま閉じることができなくなる。
こういった深刻な状態を引き起こす可能性があります。
顎関節症の対象者は想像以上に多い?
国民の8割が羅患していると言われる歯周病ほどではないにしろ、およそ2割程度が顎関節症を患っていると予測されています。
歯周病は自分では気づくことが難しいことがネックですが、顎関節症も指摘されて始めて気づくことが多いです。
顎が成長する12歳頃から発症する人が多く、大きく口を開いたりする際に耳の近くの顎の関節が外れてしまうなどのケースが多いです。
ほんの少しの違和感や元に戻そうと顎を動かしたらはまることが多く、痛みを伴わなかったりするので
『そういうこともあるか』
くらいに考える人が大半です。
実際は顎関節症が起こっていても、耐え切れない痛みや口が閉じれない、顎が外れたけどどうしても元に戻らないなどの状態にならないと
病気だと気づかないことが大半です。
よって症状は出ているものの大したことではないと誰にも話さないでいて、数年後に大きな症状が出てヤバイ!
こうなってから歯科医院に行くケースがまま、見受けられます。
その際も、症状が軽かった時のことは当たり前に起こっていることで突然顎が外れた、口が開かなくなったと説明されるようです。
患者数は女性の方が多い
明確な理由は分かっていませんが、女性の方が痛みを感じやすかったり、顎の筋力が弱いということが関係していると考えられています。
どちらかというと、女性の方が症状を敏感に感じ取れるので気づきやすいだけなのかもしれません。
男性も同じくらい羅患しており、単に深刻な症状以外放置しているだけかもしれません。
骨格や筋力が男女で異なるので羅患する割合も変化するでしょうが、まだ相関関係はハッキリとはしていません。
顎関節症にかかる原因
顎関節症はひとつの要因だけで説明するのが難しいため、複数の要因が積み重なった結果症状が起こっていると考えられています。
症状に多大な影響を及ぼしていると思われる要因を特定することが大切に成ります。
例えば歯並びが主たる原因であれば歯並びを治せば顎関節症が治ります。
夜中の歯ぎしりが原因であれば歯ぎしりを改善することで治ることもあります。
複数の要因が積み重なって発生しているので、ひとつの要素を解決しても直らない場合があります。
そのため顎関節症にかかった場合主たる原因を特定することが大切になってきます。
TCHの改善による歯ぎしりと顎関節症の改善
TCHとは上下の歯の接触する癖です。
上下の歯の接触というと、歯ぎしりや食いしばりがイメージできると思います。
これは歯に強力な圧力がかかっているので悪い癖といえます。
では上下の歯が接触する程度はどうでしょうか?
通常、人間の体は自然な体勢を維持すると上下の歯は接触することなく2~3mmほど隙間が空いた状態になります。
ここに緊張やストレスで歯に力が入り接触した場合はどうでしょうか?
食事や会話で歯と歯が触れ合うことはまったく問題ないですが、この上下の接触状態が1日20分以上続くと頬の筋肉に力が入りすぎて疲労します。
こういった日中の日常の癖を改善することで歯ぎしりや顎関節症改善しようとしているのです。
TCHを改善したら、顎関節症が治った?!
TCHの改善は、東京大学の顎関節部の木野准教授がリーダーを務め、年間2000人に及ぶ顎関節症患者を治療してきた過程での認知療法で
TCHを治した場合付随して歯ぎしりや顎関節症が改善した報告が上がってきました。
もちろんTCHであると顎関節症ではなく、あくまで要因のひとつとして挙げられるということです。
特に症状が無い人
TCHは生活習慣の1種なので、何も症状が出ていなければただの癖のひとつにしかすぎません。
ただし、良い習性ではないので改善できるなら試みたほうがいいです。
今は症状が出ていなくとも、今後出る可能性もあります。
TCHの改善が及ぼす効果はハッキリと明示されてはいません。
しかし、効果が実証されていくに従い有用な治療方法になることは疑いありません。
TCHのみならず、普段の生活習慣でついた悪い癖は様々な影響を歯だけでなく体に与えます。
こどもの頃に姿勢を正しくすることを習ったと思いますが、社会通念上の習慣として教えられた人が多いはずです。
しかし、悪い姿勢や癖が具体的にどういった悪影響を与えるかをきちんと伝えて正しい姿勢の重要さ説けばそうする理由が明確なのできちんと
する人が増えると考えられます。
一度身に付いた癖は直すのが難しいですし、理由がなければなかなか直せません。
体のことを考えて直さなければならないという必然性をしっかり説明できれば、世の中に広がる病気が減少し医療費の負担も軽減されるのではないかと思います。
TCHの改善は、様々な癖を改善することで健康に生活できる可能性を示してくれる試金石ともいえます。
TCHはパソコンやテレビを見ているとき、事務作業をしている時などに自然と起こっていることがあります。
自分自身ではなかなか気づけないため、意識しなければなりません。
ただ、常に意識しているのも日常に不都合があるため、TCHが起こりうる状況で目に付く範囲に注意を喚起する張り紙などをします。
ときどきその張り紙に目がいったときに歯の状態を意識してみて、歯が接触していたら改善するを繰り返すことで徐々にTCHが起きないようにし
ていきます。
この取り組みはTCHについて書かれている書籍を見ることで要旨はすぐに理解できるので、少ないコストで改善ができます。
もし、顎関節症の症状があり、TCHの改善で直るのであれば言うことなしです。
癖を直しても改善しない時に改めて顎関節症の専門家に相談するという流れでも問題ないでしょう。
ただ、TCHが効果が出ていないかどうかは正しく行えているかなど、素人判断になってしまうため成功しているのか確認が難しいことが難点で
す。しかし手軽に行えるメリットがあるので駄目元で行ってみてもいいでしょう。
また、歯科医院で顎関節症を直したい場合、顎関節症の専門家のからの意見を頂くことが重要です。
これは治療が上手いとか下手ではなく、顎関節症の専門医は原因を特定することに長けているからです。
もし、顎関節症が専門でない歯科医院だった場合、対処療法的に症状が治まるだけの治療をされてしまう可能性があるからです。
そうなると、一時症状が治まっても、根本の原因が解決していないので再び発症する可能性があるからです。
専門家はその辺りを熟知しているので原因の把握を先に心がけます。
治療をする際は専門家を頼ることが重要です。
ただし、専門家による治療は自費になる場合があるので、対価が高額になることを承知しておかねばなりません。
安く済ませたい場合はもちろん、専門家の意見だけを聞いて治療を別の医院でしてもらうことも可能ですが……。
ただ、歯科医院によって治療へのスタンスや見解が大きく異なることがあるので余所の見解で治療をしてもらえるかどうかは微妙なところです。
それならそこで治療すればいいのでは? と思われます。
顎関節症の全貌は完全には解明されていないので原因に明らかな確証がなければ手探りになります。
それを考慮したうえで、どのように歯科医師の意見や自分の状況と向き合っていくかが大切に成ります。
歯科業界の今後の動向
医療負担の増加と歯科業界の今後
グラフが示すように年々日本の医療費は増加しています。
図は21年度までのグラフですが、平成25年度では38兆円にまで膨れ上がっています。
この膨れ上がった医療費はどこに負担が来るのかというと、もちろん国民に降りかかってきます。
昔医療費負担額が1割だったものが2割へ、そして3割と推移してきました。
恐らく確実に医療費は5割までは上がるはずです。
その前に4割になるでしょうが。
そうなってくると何が起こるかというと、病院や歯科、薬局に行く人が少なくなります。
ちょっとくらい具合が悪くても、医療費が高いからいいや。
患者側で調整をしてしまうわけです。
これは間違いなく起こることです。
貧富の差の激しい欧米では当たり前の現象であり、もはや昔の全世帯中流家庭という幻想は崩壊し低所得層が増加してきました。
また所得が増えないにもかかわらず社会保障費や税が増えているため更に国民の生活は圧迫されています。
それゆえこどもを多く作ることが出来ない→人口が増えない→税収が減る
という最悪のスパイラルに嵌ってしまっています。
こうなってくると、どこかで現状の制度が崩壊するか、無理に今の制度を続けるため歪な形ができあがるかという状態になっています。
医療費が増えていると書きましたが、では実際その内訳はどうなのか?
38兆円にも上る医療費の中で、医科が占める割合は27兆円ほどで75%におよぶ割合を占めています。
次いで薬局。こちらが8兆円ほど約17%近くを占めています。
残りの約3兆円未満。これが歯科が占める割合で、全体の10%にも達していません。
コンビニよりも多いと言われる歯科ですが、実際の医療費はかなり少ないのです。
それだけ歯科医院の経営は苦しい状態ということになります。
ちなみに平成21年から平成25年までに医療費が10兆円!! ほど増加しましたが、その中で歯科で増えた医療費は数千億円にとどまります。
つまりあとは薬と医が増加分をもっていっているわけです。
さて、ここでどんどん医療費が増加していくとどうなるかは記述したとおりです。
お客さんが減った場合歯科医院の経営はどうなってしまうのか?
今健全な経営ができている医院はいいのですが、ギリギリ経営している医院も多くあります。
もっとも数が多すぎるので、半分くらいに減ってしまっても実際は大丈夫かもしれませんが、歯科医院が多く廃業する事態が起きた時に歯科業界がどのような道筋を辿るのかまったく読めません。
歯科医院は実は大きな過渡期に立っています。
従来の保険に頼った診療を続けている医院は現時点で逼迫しています。
次々と医院を閉めているのです。
この中で生き残る医院で良いと思える治療を受けなければならないのです。
増大していく医療費の中で、どのように国民が医療にお金をかけるのか?
病気やむし歯などは避けようと思っても患ってしまうものなので、あらかじめ医療にかける経費を各家庭で決めなければなりません。
その上で、その度合いを超えた治療を受けるのか、それとも我慢をするのか選ばなければなりません。
病気にかかったら、その度合いによって支払う治療費は変化するのですから、経費がいくらかかるかは読めません。
しかし、病気にかからないように予防に力をいれるのでしたらどうでしょう?
予防に関しては、病気にならないようにかならず施行する試みですから、予防に年間いくらかけるか決定できます。
また、それでも軽い病気にかかる可能性を考えて多少の猶予を持たせれば、各家庭が支払う医療費は可視化することができます。
もしもの備えをプールしつつも、常に医療費は一定額をかける。
こうすることで医療費をコントロールするしかありません。
だったら何も考えないで病気になったら医院のお世話になるでいいんじゃないか?
これに関してはそうともいえますし、違うともいえます。
ただし、予防に費用をしっかりかけたほうが病気を早めに見つけたり、早めに治療できたりします。
その分快癒も早く医療費が抑制できると考えれば予防に費用をかけたほうがいいと思えますし、
効果が不透明だからやらない。これもまた間違いではありません。
医療費が高騰する中で、それぞれの家庭がどのようなスタンスで医療に向き合うのか?
およそ健康で病気と全く縁がなければ悩む必要が全く無い事柄ですが、不老不死でもないかぎり、必ずなんらかの病気を患うことになります。
その時に考えればいいことかもしれませんが、自分や家族の体のメンテナンスを考えるのもひとつこれからの義務となってくるのではないかと思います。
歯科に関しては、生まれた赤ちゃんはむし歯菌を持っていませんから、赤ちゃんに接する人達がむし歯でなければむし歯になりにくい体質になります。
そうなるだけで、格段にむし歯のリスクは減るので医療費の逓減に繋がります。
まずは自分の歯をしっかり治し、まわりに赤ちゃんがいる場合は3歳までむし歯菌が移らないように注意する必要があります。
世の中の多くの人の常在菌に占めるむし歯菌の割合が低下することによって、後の世代の人達のむし歯リスクはどんどん低下していきます。
予防は自分のためだけでなく、まわりのためでもあるのです。
むし歯が無い社会になると歯科医師はいよいよ持って廃業になりますが、その場合は……歯科医師の方には予防をメインにやってもらうしかありません。
ひょっとすると、日本で育成された歯科医師が海外に輸出されるような状態になるのかもしれません。
海外で診療所を開き、そこで医院を運営する。
世の中にある業界がすべからく海外に進出している流れから、日本の医歯薬も海外に打って出る流れになるかもしれません。
TPPで一時期医療も騒がれてきましたが、いずれ世界に向かっていくことになるはずです。
極少数ですが、医師でも海外で活躍する人材が出ています。
世界という市場で戦えれば、歯科医師過剰という今の状況や、人口の減少という問題にも対応できます。
最初は少数の人間しか成功しないでしょうが、保険という枠組みから解き放たれた方々が新たな道を示すことで今の現状が打ち破られると思います。
多少夢物語が入っていますが、他の業界がやっていることを歯科で行うだけなので不可能ではないはずです。
コメントについて
このサイトへのアクセスに関して (コメント欄を追加しました!)
ホームページを管理している人間は、ホームページで
いつ、どこで、だれが、なにを、どうした
の部分のだれが以外は判明します。個人は特定できません(普通はですスーパーハカーはわかりませんが)。
このサイトは基本、日本在住向けに書いています。日本語使ってますからね。
でもアクセスログを見ると欧州やアメリカからアクセスがしばしばあります。
恐らく海外在住の日本人の方だと思うのです。
恐らく歯科医療費が高くて驚かれているのでしょう。
思わず『根管治療 アメリカ(欧州) 日本 対比』とかで調べるんじゃないでしょうか。
日本の保険歯科治療を受けたことがあるとなおさら感じると思います。
というわけで、コメント欄を追加します。
需要がなさそうですが。
もし、諸外国で歯科を受診して『高い!』と感じた人がいたら、できるだけコメントに答えるので是非諸外国の歯科事情を列記していただけると幸いと思います。
先進諸外国の医療に関して
諸外国の歯科医師の歯科医療に対する概念がどのようなものか接したことが無いのでわからないのですが、聞いた話だけで個人の意見を述べるとするならば基本的に仕事は誇りを持って行っているし、医療とビジネスの考えがしっかりしている。
日本の歯科医師は独立開業をしている人はいやでも経営について考えなければなりません。
しかし、医療をビジネスで考えたくないという人が日本では多いのです。
特に親世代、祖父世代から続く歯科医院出の先生ほど『町の歯医者さん』にこだわる傾向が高いと思います。
アメリカなどでは決して安くは無い診療報酬を取りますが、治療する歯科医師は自分の施術が幾ら幾らの費用の対価であることを意識しているので、施術に気合も入れています。
もちろん日本の歯科医師が気合を入れていないわけではないですが、諸外国の医師も日本の医師も同じくらい職人気質が多いということです。
根管治療のサイトですから、根管治療に関して外国からアクセスしてくる可能性も当然あるのですが、逆にその方々がこのサイトを見ているのであれば私は運がいいね! と思います。
アメリカ(欧州)の歯科医療
どうして運がいいかと申しますと、先進諸外国の方が歯科治療に関しては進んでいるからです。
日本は歯科医療に関しては後進国なのです(一部裁判に関しては中世だし……)
日本の歯科治療と違い諸外国の歯科治療は歯科医師がそれぞれの専門分野に特化しているので、根管治療をする必要があるとするならば必ず根管治療の専門家が治療を行い、かつ現段階で成功率が高くなるという装置や器具を必ず使用し、相応の期間と時間の手間暇をかけるので自然と成功率が上がるのです。
(日本でも病院のように大きな歯科医院は何人もの専門歯科医師を雇っており、それぞれのケースに適した歯科医療を提供できる医院もあります。また個人開業でもそこにいる先生の専門の分野であれば専門性の高い高度な歯科医療を受けることができます)
諸外国の保証
気になるのは治療の予後が悪かった時などにどのような対応をしてくれるかでしょう。
例えば、今までの日本であれば大概歯科医院側が面倒を見る形が多いケースでした。
諸外国ではこのあたりのガイドラインがしっかり定まっているところが多いはずなので、治療の前後でしっかりココを確認しなければなりません。齟齬があるとすぐ訴訟になるでしょうから。
海外在住期間が長ければ対応ができるかもしれませんが、余り馴染んでいないとどうしたらよいのかわからず不安なまま歯科治療を受けることになるかもしれません。
もし医療費や治療に関して疑問があるようであれば、TC(トリートメントコーディネーター)に相談をしましょう。
TC トリートメントコーディネーターとは
TCは現在日本でも多くの歯科医院(一般病院ではかなり普及している)で普及している役職の一つで、歯科医師と患者の仲立ちをする人です。
色々な歯の悩みや費用の相談がしたくとも、歯科医師にそれをするのは憚られる。
こういう悩みを抱えている方は非常に多いです。
なぜなら、患者さんには病気(むし歯、歯周病)に関する知識が少なく、治療の方法や費用が妥当なのか判断できないから。
そういった、医師に相談できない悩みを聞いて医師と患者の意思疎通を図る人が必要とされてきた背景があるので、TCという人材が広まっているのです。
これはアメリカ・欧州から日本に流れ込んできた考え方なので、本家の諸外国ならばTCが必ず居るはずです。
なので、色々な悩みがあったらTCに相談しましょう。
治療に関することだけでなく、ファイナンス(支払い方法など金銭に関する相談)などもひっくるめて相談に乗ってくれるはずです。
日本のTCはファイナンスに関する相談には応じられませんが(費用にかかる質問には答えられる)、諸外国のTCはそこまでの面倒を見てくれるのです。
もちろん全ての医院にTCがいるとは言えませんし、どこまでTCが信用できるのかも判断がつかないかもしれません。
しかし、まったく相談ができないより精神的に楽になるのは間違いありません。
何もしないで判断が付かないのであれば、何か情報をインプット、アウトプットして判断ができないほうがまだましでしょう。
もしろん、歯科医師が直接相談に乗る場合もあると思います。
大事なのは治療を行ってくれる医師を信用できるか否かです。
こればかりは、治療をして貰い、結果が良い悪いで評価が大きく変わるのでなんともいいがたいです。
自費診療とは
医療を受けるときの2大受診方法
歯科だけでなく、個人、法人で行っている医療機関は各種健康保険を通しての治療か、全額を患者さんが負担して窓口で支払う自費診療の2通りの支払い方があります。事故など例外もありますが、個人の場合概ねこの2通りに集約されます。
保険での診療は皆さんだれもが受けたことがあります。こどもの頃にお医者さんにかかると支払いは親御是が行っているので余り意識していないでしょう。
診療による支払いが気になってくるのは高校生あたりから、特に支払いなどを全て個人でするようになる新社会人と大人の仲間に分類される大学生なんかが多いんじゃないかと思います。存在に気づいたのは中学生くらいでしたが、意識し始めたのは大学生時代。調べ始めたのは社会人になってからでした。
壮健であれば別に知っていなくてもいいのですが、家族全員が健康順風満帆ってことは有り得ないですから知っていても良いかもしれません。
ほとんどの病気(むし歯や歯周病も病気の一種)は加入している健康保険で保険診療(患者3割負担の場合 例えば10,000円の治療費がかかった時に患者さんが払うのは3,000円)を受けることが出来ます。これは国(や組合)に一定のお金を納めることで医療費を負担してもらうという仕組みです。自動車保険や生命保険のような契約者に面倒な手続きを強いることが無いことがメリットの一つです。
保険での治療があるのに自費診療があるのは
お国が保険を敷いているのになぜ自費(10割全額支払い)診療があるのでしょうか?
これは医療機関と保険が適用できる症例などに左右されるからです。
少し分かりづらいでしょうか。
医療機関も企業の一種と考えてください。
例えば個人が新しく医療機関を作る場合。
医療機関で働く人の給与や土地屋敷や光熱費や設備機材。これは国がおんぶにだっこで用意してくれるわけではありません。
銀行から借りて用意することが多いのです。
(歯科)医師は社会的に信用があるので、ある程度の担保で3000万くらいならば比較的楽に借りることができます(それでも最近は審査が厳しい)。
多くの医院は借財をしてスタートを切ります。完済に10年などの長い期間を見込んでいるのです。
しかも最初は知名度など皆無ですからお客さん(患者)が少ないです。(内覧会などにより初期の固定客GET方法もあり)
(歯科)医院によっては最初の半年はお客さんが毎月数人ということもざらにあります。
この間経費として人件費(衛生師や助手、受付など)だけでも毎月100万近くは勝手にでていきます。
この時期に本気で死にたくなる人も結構いるようです。
こうして少しづつ患者を増やしていき医院が安定するのは1年くらいかかります。
しかし、保険での診療は請求できる金額が決まっています。患者さんが1人くるといくら。これが絶対値としてでてしまう。
こうなると、治療でいつくるかわからない患者さんを当てにして医院を運営するのは綱渡りと言えます。
そこで、保険でなく自費というシステムが登場します。
値段が医院で勝手に決められる
自費はこれに尽きます。
保険での1人あたりの利益は動かしようがありませんので、いつくるかわからないお客さん頼りの運営になりますが、
自費は1人が幾ら払っても問題無いので利益は多くもできますし逆に少なくも出来ます。
例えば、同じような治療をするのに1人あたりの利益に5000円の差がでたとします。
これが10人積み重なれば5万、100人積み重なれば50万。
保険で診療しているところと自費で診療しているところで単純な利益だけでも大きくことなるのです。
もちろん上記のように単純ではありませんが、自費と保険で利益が段違いであることははっきりと言えます。
医院を運営している人も人間ですから、特に初期に大変な思い出経営をしていた人は尚更自費で診療を受けてくれる人はありがたく思うでしょう。
もちろん保険で治療を受けてくれる人も大切お客さんでしょうが、ありがたみは雲泥の差があります。
お金の話ばかりですが、医療として真面目な話もあります。
保険が適用できない治療もある
そもそもとして保険が適用できない病気や、良い治療方法があるけども、保険で認可(保険料はお国、といっても国民の税金から支払われているのですが保険が適用できるかどうかは国で細かく定めている)されていないので保険で診療することができない。
型どおりの病気ならいいのですが、世の中様々な病気があり、また体質によって同じ病気でも症状の出方が違いますし、同じ器官であっても個人でまったく構造が異なります。似たような治療はできても、人に合わせた治療というのは画一的にはやはり不可能です。
医療に市場の原理が働く
こうなってくると、治療する側がなんとか個人に合わせて治療するしかありません。そのために様々な知識や設備や技術が必要なのです。
そうすると多くのお客さん(患者)に対して有効な方法だけでなく、需要の少ない方法に特化する必要があります。それを用意するためにやはりお金や時間が必要になります。このための費用を国が補助してくれればいいのですが、国民の財源は限界というより帳簿上は破綻していますので、期待できません。ですので自前でなんとかします。その分の補填を仕方ないからお客さん(患者)にしてもらおうというのが自費の根本的な考え方です。
お客にしわ寄せが来ていますが、市場の原理が働いており今までの医療に比べ多少信頼感はあると思います。
ただ、保険と自費が混在した市場は保険のみで良心的にやっている人にとってはこの上なく不条理なシステムなので、駄目な医院だけでなく良い医院も一緒に淘汰してしまう欠陥があります。残るのは良心的に自費をする医院か、効率的に自費を出す医院か、儲けを優先して騙し騙し運営する医院か。
最後は淘汰されそうですが、大きい医院では普通にあることです。なぜなら、一生懸命良心的に治療をしてくれて失敗・成功した結果と、必要の無い治療や投薬をふんだんにつかい失敗・成功した結果の良し悪しを判断する能力が一般人には無いからです。独学でものすごい勉強をされている方もいますが、体系的に勉強してきた医師に適うことはありません。体の一部分の一分野では匹敵するかもしれませんが、薬理を合わせて総合的な判断ができるか? と言われると不可能です。
ですので客観的にみて必要とも不必要ともいえなくないな、という部分で水増しをする医院は結構あります。患者が指摘するケースは少ないですからね。
もちろん、やった方がいいから(一応効果が出るから保険的な意味合いで医者側が精神的に安心できる)増やしているパターンもあります。症状がこれだから絶対これ! というような判断ができる医師は少ないでしょう。あくまで可能性として高い症状を推定して対処しているだけですから。
自費は必要に迫られて設けているか、医院の経営として必要としているかで大きくその効果が分かれます。
これを判断することは非常に難しいです(というかどちらか一方なんて極端な医院はない)。いかに、医院が信用できるか、これに尽きるわけですから。
逆に言うと医院はお客さんをどれだけ信用させられるか、という題目に関わってくるのです。
自費による治療は良いこともありますが、大して良くない場合もあります。
ただ、お金がかかるということだけは事実なのです。
健康に支払うものが妥当かそうでないか、これが自費を受けるか受けないかの基準となりますが、個人によってこの価値観は大きく異なります。医院にとっても患者にとっても難しいことです。
歯科医院と保険点数など
保険点数 1点=10円
さてこの保険点数ですが細かな決まりが目白押しで、歯科医師はそれに従いながら治療を行っています。決まった医療行為があり、それを行ったから10点などという具合です。よく、治療が長引いているのはわざと長引かせてお金儲けしているのでは? という話を聞きます。そういうこともあるかもしれません。しかし、歯科医療に限ってはかなりレアケースと言えます。なぜなら、1つの歯を治療して出る保険の点数が決まっているからです。1つの歯を何回治療したところで再診療費が入るだけでお金儲けという点では人件費で赤字といえます。ですので一般科歯においては治療をわざと長引かせるメリットは薄いといえます。
保険点数を決定する機関と所属派閥
保険点数は厚生労働省に連なる中央社会保険医療協議会(中医協)が決めており、20人体制の中、現行7名が診療側から出席している。この中で医師5名、歯科医師1名、薬剤師1名という配分になっており、圧倒的に歯科医師が不利なのです(薬剤師も立場が弱いが、ある程度医師とがっぷり四つ)。保険は結局国民の税金なので、財源は限られています。その中からそれぞれの医療費や薬剤の点数を決めるので、当然声が大きいほう有利なわけです。保険で収入が決まってしまう歯科医院や薬局は非常に不利な立場にいるわけです。
開業歯科もピンキリ
医療費は増加する一方ですので、抑制が働きます。こうなると保険に頼った経営はかなり苦しい状況に追い込まれます。実際開業した歯科医院の院長の年収が300万円(ゼロなどということも)などという医院もざらにあります。なぜなら、最初はお客さんが少ないことと、開業時に多額の借金を背負い込むからです。(皆さんが座る治療用のチェアーも500万とかするんですよ!)この中で従業員に支払う給与や光熱費、土地建物の家賃などを払い運転していける歯科医院はそう多くはありません。毎年1000件もの歯科医院が開業し毎年1000件もの歯科医院が潰れているような状況です。
医科と歯科
一昔前に研修医の給与の少なさがクローズアップされていましたが、今では研修医にも新卒大学生~新卒薬剤師なみの給与が出るようになりました。これは中医協参加の医師の配分や選出元が変化したことも大いに関係しています。今までは『開業医派閥>病院派閥』だったのが『病院派閥>開業医派閥』となったのです。もちろん7/20の中での話ですからその人数だけで決まっているわけではありませんが、大きな影響を与えているのは間違いありません。
歯科医院の状況は実はほとんど変わっていませんが、歯科医師の増加、保険治療による素材の高騰によって開業歯科医師は大変な状態に陥っています。市場の原理が強くなっている点で世の中の一般企業に近づいているといえますが、当然負の側面も現れます。自費治療を患者さんに選んでもらうためにあの手この手を使う医院の登場です。もちろん自費治療の方が保険治療よりも良い治療が行えることは間違いないので、信念をもって自費治療を推奨している医院が多いですが、一般の患者さんからしてみると『高いものを売られている』という考えしかできないわけです。なんせ違いが分からないからです。
健康とお金
レーシック手術が少し前に流行りましたが、眼科医が眼鏡をかけている時点で信頼性はいまひとつでした。例えレーシックが3万で受けられる! という医院があったとしても誰も受けないでしょう。例え安くても取り返しがつかない恐れが高い場合は二の足を踏みます。しかし、歯科治療になるとこの感覚を失う人が多いのです。というよりも感覚を持っていない。歯や健康も一度損なうと二度と元には戻らないのに、そこにお金を使わないのは不思議とも言えます。お金がないのであれば仕方が無いですが、趣味や衣類や装飾品にお金をかける余裕があるのなら歯や体に十分に使ってからその余りで自分の趣向にお金を使うべきなのです。
予防にお金を使う
歯科業界は昔と違って治療中心医療から予防中心医療に風向きを変えています。これは欧米諸国の歯科医療体制に近づいているといえます。健康であるために歯の維持が大事(そう思っていない歯科医師はいませんが)。歯科業界(世間)が正しい流れに向かおうとしていると言えます。もちろん、いつ来院するかわからない、来院したら医師が治療しなければならない患者よりも、同じ収入が得られていつ来院するか予測がつき、来院したら歯科衛生士が予防を行える患者を比べるのならば後者のほうが経営的に安定するのは間違いないという理由もあります。とはいえ予防の大切さを知る層が増えるほど、歯科医院に通い自分の体にお金をかける人が増えるのは望ましいことです。
金属のイオン化傾向
金属の溶け出しやすさ
金属のイオン化傾向で有名なものです。
K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>H>Cu>Hg>Ag>Pd>Pt>Au
←イオン化しやすい(溶け出しやすい) イオン化しにくい→
K(カリウム)Ca(カルシウム)Na(ナトリウム)Mg(マグネシウム)Al(アルミニウム)Zn(亜鉛)Fe(鉄)
Ni(ニッケル)Sn(スズ)Pb(鉛)H(水素)Cu(銅)Hg(水銀)Ag(銀)Pd(パラジウム)Pt(白金)Au(金)
詰め物などに使われるしか素材は合金
現在保険で使われている銀歯とは金銀パラジウム合金を指しており、歯科医師の先生は『パラ』と呼びます。その構成比率は
金(12%)銀(50%)銅(16%)パラジウム(20%)亜鉛・スズ(2%)
となっています。上のイオン化傾向を見ていただけると一目瞭然ですが、K(カリウム)側にいくほど金属がイオンになりやすい。つまり溶け易いことになります。Au(金)側に行くほど金属が溶け出すことはなくなります。
金や銀でも金属反応を起こす方はいらっしゃいますが、多くの方は装飾品や歯の詰め物に使われている合金によって金属反応を起こしていることが多いのです。世の中の金属製品は多くの場合加工や実用性、費用の問題で単体元素で作られているものは少ないのです。