『可能な限り痛くない』と『無痛』

2014-09-09

痛くない・無痛の治療

歯科医師の先生は本当に色々な考えの方がおり、また機器や技術に関する知識も様々です。

『無痛で治療できるよ』

と仰る先生もいれば

『あんなん無理だよ』

と仰る先生もいます。

考え方の違いと言ってしまうとそれまでですが、無痛治療は可能です。

ただ、それもむし歯の進行度合いによって決まる部分が大きいのです。

 

痛くない麻酔と痛む麻酔の違い

麻酔をしてもらってはずなのに治療が痛かった。

こんな経験を昔にした人は多いのではないでしょうか?

この経験をした人は歯科医院を避けるようになります。

『麻酔をしたから痛くないだろう』と信じきっていたのに激痛を感じるのですから当然です。

これは、麻酔がしっかり効く前に治療をしてしまったことが原因です。

麻酔は効き始めるのに時間がかかるので、10分~15分のインターバルを置いて治療を始めるのが最適です。

しかし、昔の歯科医療はとにかく数をこなすのが最優先でしたので、治療台に並べられるだけ患者を並べて流れ作業で治療をしていく。

そうすると、麻酔が効き始める前に治療が始まってしまうような哀れな子羊が生まれるわけです。

人によっては

『痛かったら左手を挙げてくださいね』

と言われたから音速で挙げたのに

『はい、我慢しましょうねー』

と言われて『あがが』

という人もいるわけですから、そりゃ歯科医院が嫌にもなります。

今の歯科現場ではそういったことも少なくなり、また麻酔もやり方や電動注射器などが出てきてますます痛みを感じないで治療を受けることが可能になってきました。

痛くない麻酔での治療が圧倒的に増えてきたわけですね。

 

無痛治療専門歯科医院VSできるだけ痛くない歯科医院

ですが、人によって痛みの感じ方は様々ですから、完全に無痛というのは難しいのです。

ちょっとした刺激でも痛いと思えば痛いわけですから。

そうすると『できるだけ痛くない治療』というのが宣伝文句としては正しいと思います。

ただ、ぱっと見のわかりやすさは『無痛治療』に軍配が上がります。

キャッチフレーズとしても『可能な限り痛くない』と言うよりも優秀で、患者の心を惹きつけやすいからです。

しかも無痛専門とか言われると『ああ、ここは痛くないように治療する専門の医院なんだ』と思ってしまう患者さんもいるからです。

そうすると歯科医院選びのさいに『痛み』を重要視している患者は無痛の歯科医院に行くことになるのです。

そうするとHP上で『可能な限り痛くない』と宣伝している医院さんは不利になります。

宣伝の仕方が悪いといえますが、医療人としてできるだけ誠実でありたいという考え方も伝わってきます。

ただ、本当に痛いか痛くないかは通ってみないとわからないんです。

しかも、痛いから藪医者というわけでもないのが難しいところでもあります。

 

無痛治療はハンデを負うが、技量があれば問題ない

無痛治療を謳っている医院は患者さんが少しでも痛みを感じると

『あそこは駄目だ』

という噂がすぐに広まります。

歯科医院のいいところを積極的に宣伝してくれる患者はいませんが、悪いところは気が済むまで宣伝します。

無痛治療を謳っている医院で問題なく運営できている医院は、痛みをほとんど感じさせないで不満を少なく出来ているはずなので、名にし負う医院という判断材料になります。

 

 

火消しが異常なほど上手くて、別の道で食えるんじゃないかという医院もあるかもしれませんが

薬剤を用いた歯内療法 3MiX-MP法

2014-08-26

3mix-MP法

一時期TVにも取り上げられ話題にもなった3mix-MP法
今でも行っている医院はあります。がその総数は非常に少ないでしょう。
前の項でドックベストセメント治療について書きましたが、個人的にはこちらの方がまだ信用できます。
なぜなら海外から輸入されてきたからです(という根拠は色々な方面からお叱りがきそうですが)。
食品に関して輸入品はことさら気にすべきですが、歯科についてはまったく逆でしょう。
歯科後進国で開発された薬剤治療より海外で開発された治療のほうが信用したくなります。
しかし、薬剤による歯内療法は新しい治療方法が現れては消え現れては消えの繰り返しですので、
まったく効果がないとはいいきれませんが、確実性には乏しいと思います。

3mix-MP法の効果

この3MIX-MP法は3種類の薬を配合して患部に塗りこむことで、虫歯菌を除菌し歯を再石灰化させるというものです。
虫歯は病原菌の一種ですから、もちろん除菌をすることは可能です。

3mix-MP法の使用薬剤と使用環境

しかし、抗生物質を使っているというのが皆さん恐らく引っかかる部分でしょう。
そりゃ虫歯菌も死にますよて。
問題は、施術者側が虫歯の大きさに合わせた薬の配合と量を調節できるかという部分に集約されると思います。
施術者も開発者の講習を聞いただけで『後はがんばって』という状態のようですから、そりゃ上手くいったりいかなかったりするでしょう。また、最初の数年は色々な配合量で実験(被験者南無 施術料0円というサイトを見るが実験台にしか思えん)するんでしょうからこれまた成功失敗がわかれるでしょう。

とかく、症例を多数用意して凡その感覚をつかめた医院でなら成功率は高くなっていそうだが、正直普通に歯科に行ったほうがメリットは高く感じられます。失敗しても歯科医院で手厚い保護をしてくれるわけでもないですからね(手厚く保護してる医院があったらすみません)。

ドックベストセメント

2014-08-25

・痛くない? 歯を削らない虫歯治療 根管治療一歩手前

むし歯の治療において気になるのは【痛み】とそれに伴う【恐怖】が大きいと思います。

削る際に痛くないか?
麻酔を打つ時に痛くないか?
術後に痛みが続かないか?
こういったことが気にかかりますし、つきまとうと思います。

むし歯の治療は根管治療であろうとなかろうと、基本的にむし歯に侵された部分を削って直す外科的な処置になります。これは削ったほうが確実に感染源が除去できる上に、長い経過の観察を必要としないので手っ取り早いという側面もあります。
ただ、最近の歯科の傾向として削らなくてもむし歯に感染した部分を滅菌し、再石灰化することでむし歯を治せないか? という流れがでてきました。今回はそのうちの

・ドッグベストセメント

を利用した歯内療法を紹介します。
ドックベストセメントのメリット・デメリットを載せることで、通常の治療との差異を明示します。

ドックベストセメントのメリット

・痛くない(痛みが少ない)

出来るだけ歯を削らないので、治療の際に痛みをほとんど感じません。また、削る必要が少ないので麻酔を必要としないので、あの、チクッとした感じを味わうこともありません。

・歯の神経を残すことができる

むし歯は削れば削るほど神経に接近していきます。これを繰り返すと神経にむし歯が達し根管治療が必要となります、ドックベストセメントを使うことで削る量を最小限に抑え、むし歯を滅菌し、象牙質の再石灰化をドックベストセメントで促すことにより柔らかくなった象牙質を硬化して頑丈な歯にします。

・殺菌力が長く続き、かつ安全

ドックベストセメントは銅イオン、鉄イオンを放出し続けます。成分は天然ミネラルで構成されており副作用の危険性はありません。

・ドックベストセメントのデメリット

・根管治療が必要なほどむし歯が進行している場合
・保険外なので治療費が高め
・歯髄(神経)まで達したむし歯に使うには抜髄の可能性を考慮する必要がある
・経過を1年は見ないといけない。
・保険外適用のため、詰め物をする際は自費の詰め物になる
・薬事法で認めれられていないので、個人が輸入して利用している状況(臨床例が少ない)
・大学などの機関で研究されているわけではないので利用はあくまで個人責任

これらを考慮した上で治療に同意するかしないかだと思います。

歯の内科的治療は様々な医院で取り組まれてきましたが、今だしっかりとした方法が定着しているとは言えず、成功するかどうかは施術する医師次第という部分が強いです。ドックベストセメントに限らず、薬を使ったむし歯の治療は歯科医師の言葉を信じて失敗しても成功しても納得するのが大事です。

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